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田村日記

「人形の演技」からしか浮かび上がらないもの

19/02/13 UP

国立劇場の2月文楽公演を見てきました。
第三部 『鶊山姫捨松 中将姫雪責の段』『壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段』
『阿古屋(あこや)』は、昨年12月に歌舞伎座公演で観たばかり。人形が演じる文楽、人間の生身の身体で表現する歌舞伎。対比が面白かったです。


ご存じのように琴、三味線、胡弓の3つの楽器を演奏する場面が眼目なんですけど、人形が演奏するそぶりをするっていうのが、おもしろいですよね。
演奏にあたっては、人形の「手」に秘密があるのですが、このあたりは、以下の国立劇場Webサイトの動画をみるとよくわかります。演奏する楽器によって、「手」という道具を取り替えているんですよね。

桐竹勘十郎が語る、阿古屋の魅力~三曲の秘密篇~
https://www.ntj.jac.go.jp/topics/kokuritsu/30/2790.html

個人的には、三味線を弾くときの「左手」の動きがうまいなぁと思いました。それから、聴くという意味では、三曲の演奏が聴き応えありました(三曲は鶴澤寛太郎さん)。
『阿古屋』のときは見台が5台ずらっと並びました。阿古屋の役の太夫さんは、赤系。ほかは黒。房の色や長さもそれぞれに違っていて。どんな気持ちで見台を選んだのかな、なんて想像したりもしました。

文楽の公演を観ていて、いつも興味深いのは大道具の転換。歌舞伎と全然違うんですよね。見た目はだいたい歌舞伎と似ているので、油断しちゃうんですが、転換のやり方が大きく異なることが多くて「おっとー、そうくるんでしたよねー」と。
あとは、女方の髪のかんざしのつけ方が、歌舞伎と違うところもあって、いつも反応してしまいます。

国立劇場の2月文楽公演
https://www.ntj.jac.go.jp/schedu…/kokuritsu_s/2018/2471.html

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