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13/07/04 UP

歌舞伎座 2013/7/4-28 「七月花形歌舞伎」<『加賀見山再岩藤』 髪型・衣裳>

新しく開場してからしばらく三部制が続いていましたが、今月から通常通り「昼の部」「夜の部」の二部制に戻りました。そして「花形」とあるように若手が中心となった公演になっています。



『加賀見山再岩藤』の発端「多賀家下館奥庭浅妻舟の場」に「お柳の方」という女性の役が登場します(菊之助丈が演じる2役のうちの1つ)。この髪型は「三つ輪」といいます。武家のお妾さんや側室など、いわゆる正妻でない女性につかわれる髪です。なんの気なしに見ていても、「ああ、ちゃんと役と髪が合っているなー」と感じます。お武家の位のいい役の髪には、凝った飾りもついていますね。



衣裳について言うと、打掛(うちかけ)は、織物の打掛のほうが刺繍の打掛よりも格が上になります。『かぶき手帖2013』の特集記事「歌舞伎のかつらと衣裳」のP53にも書きましたが、『伽羅先代萩』の政岡も栄御前を出迎える際には刺繍の打掛を脱いで、織物に着替えています。こうした武家女房や御殿女中の役の髪型は、「片はずし」と言います。棒状のかんざしに、ぐるっと髪をまきつけています。生え際あたりの髪が、カチカチに固まった不思議な形をしていますが「しいたけたぼ」と言って、強い女性の象徴とされています。歌舞伎の髪型にはいろんな決まりがあります。女方の髪型は、立役に比べると種類も少ないので、だんだん見分けられるようになります。



今月は、大道具もどんどん変化して見どころが多いので、また改めてご案内したいと思っています。加賀見山も四谷怪談も、どろーんとしたお話ですが、非日常感いっぱいですし、若い俳優さんが軸になっているので、すかっとしたところもあります。通し狂言なので初心者も楽しめると思います。



歌舞伎座新開場柿葺落 七月花形歌舞伎

平成25年7月4日(木)~28日(日)


http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/07/post_61.html