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13/02/23 UP

歌舞伎座 2013/4/2-28 「杮葺落四月大歌舞伎」<「陣屋」の屋体・大道具>

歌舞伎座新開場の最初の公演には、「熊谷陣屋」と「盛綱陣屋」が出ます。陣屋とは戦などでの軍営地にある建物のことです。



歌舞伎の舞台に出てくる建物のことを「屋体(やたい)」と呼びます。屋体にはいろいろな種類がありますが、ざっくりと分類する際に重要になってくるのが、建物の足の高さです。建物の足とはなにかというと、舞台面から建物の床までの高さをさします。舞台面がそのまま建物の床になることもあります。これを世話屋体(平舞台の屋体)といいます。4月に上演される『弁天娘女男白浪 浜松屋店世先』などがこれにあたります。一方、「陣屋」はうんと足が高く、建物に入ろうとすると3段の階段を上らなくてはなりません。陣屋の屋体の足の高さは、二尺八寸(約85センチ)あります。この高さを「高足(高二重)」と呼びます。



このように足の高さには、いろいろ決まりがあって、他に「常足」「中足」「尺高」などがあります。大道具さんにとっては重要なポイントなのです。裏方さんを取材していると、素人はあまり気に掛けないけど、作り手(裏方)にとっては重要!というズレみたいなものがときどきあって面白いです。床山さんにとって「たぼ」がとっても大事!というのにちょっと似ているなぁと感じています。観客にとっては、「たぼ」より髪飾りとか「まげ」のほうが目を引きます。でも、床山さんにとっては「たぼ」がすごく重要なんですよねー。じっくり取材をしていくと、なるほど重要だよな〜というのが分かってきます。ものづくりの世界は奥深いです。