普及活動
Vol. 12

(12)2015年11月7日  日比谷カレッジ 演劇への入口講座第4回「小道具から楽しむ歌舞伎」

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15/11/08 UP

千代田区立日比谷図書文化館が開催されている市民講座「日比谷カレッジ」にて、歌舞伎小道具方の近藤真理子さんと対談をさせていただきました。演劇への入口講座は、シリーズで行われている連続講座で、第1回は「湖月わたるが語る-宝塚歌劇100周年と新たな挑戦『CHICAGO』」(2014年09月14日開催)など、蒼々たる出演者がそれぞれのジャンルの演劇についてお話をしてこられました。今回は、歌舞伎の世界を「小道具」という切り口で、舞台で使われている道具を実際にご覧いただきながら、お話をしました。

メイン出演者である近藤真理子さんは、歌舞伎小道具方として現場の第一線で活躍されている女性です。近藤さんと道具ラボの田村との出会いは、2013年。田村が『かぶき手帖2014』の巻頭特集「歌舞伎の小道具」の執筆の際に近藤さんを取材させていただいたことがきっかけでした。それ以降、情報交換を重ね、作れなくなっている小道具の復元などに一緒に取り組んできました。講座の当日は、田村は聞き役として歌舞伎の小道具の現場について、いろいろうかがいました。

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講座では、真理子さんがたくさんの小道具を持ってこられていたので、随時、みなさんに見ていただきながら、話を進めました。写真は、オーバーヘッドに「莨入れ(たばこいれ)」をのせて、ご覧いただいているところです。莨入れは、10種類近く見ていただいたのですが、役の身分や気性が莨入れでも表されていることが理解できたことと思います。根付けの部分や金具の細工にズームして、細かいところまで、じっくり見ていただきました。

参加者数は、158名。歌舞伎をどのくらいご覧になっているかが知りたかったので、最初に「歌舞伎を見たことがあるか?」という質問をしました。半数以上の方が、これまで歌舞伎を10回以上ご覧になっているとのことでした。
講座の終盤に今年の春に復元を完成させた「百姓蓑」についてもお話しました。実際に復元した蓑なども、舞台に出してみていただきました。

講座終了後は、舞台の上に小道具を展示し、お客様にそばでみていただくようにしました。ほとんどの参加者の方がご覧になり、すごい行列となりました(30分以上お待ちになった方も)。莨入れ、刀(鮫鞘)、傘、徳利、箱提灯など、歌舞伎の舞台で使われる本物の小道具ばかり。お客様は目を輝かせてごらんになっていました。また、会場の外には傘を展示し、お客様が手に取って記念撮影などもしていただけるようにしました。私たちは会場内にいて、あまり様子を拝見できませんでしたが、こちらも大好評だったそうです。
当日、お越しくださいましたみなさま、ありがとうございました!

●講座概要●
演劇への入口講座第4回「小道具から楽しむ歌舞伎 ―こだわりのモノづくりにせまる!」

出演者:歌舞伎小道具方 近藤真理子さん
伝統芸能の道具ラボ 田村民子
日にち:2015年11月7日(土) 14:00から16:00 当日の受付開始 13:30〜
場所 :千代田区立日比谷図書文化館
地下1階 日比谷コンベンションホール(大ホール)
住所 :千代田区日比谷公園1番4号 交通アクセス・地図

定員 :200名(申込順 定員になり次第受付終了) ★実際の参加者数 158名
参加費用:1000円(千代田区民500円)
問い合わせ先:千代田区立日比谷図書文化館(03-3502-3340)

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