普及活動
Vol. 2

(2)2012年5月4日 歌舞伎床山(女方)ワークショップ

20120504歌舞伎床山ワークショップ

12/05/07 UP

2012年5月4日(金・祝)、京都市中京区の京都絞り工芸館に歌舞伎の床山の高橋敏夫さんをお招きして、
ワークショップを行いました(主催:京都絞り工芸館)。
内容は、3月3日のワークショップとほぼ同じで、歌舞伎の演目『櫓のお七』のお七のさばきの
髪を結い上げていただくところを見せていただきました。

10時半と13時からの2回開催で、どちらも1時間半。
3月のワークショップはちょっと時間が足りない感じだったので、30分ほど延ばして1時間半としました。
前説をして、床山さんのお仕事を拝見して、最後に質問をして1時間半で丁度良いくらいでした。

高橋さんは、歌舞伎の女方の床山としてはトップレベルの職人さんで、高い技術を持っておられます。
なかでも参加者のみなさんが、おお〜っとため息をつかれるのは、「鬢(びん)」をつくる作業の場面です。
鬢とは、頭の左右側面の髪の部分で、「二枚櫛(にまいぐし)」という歌舞伎の女方の髪にだけに使われる特殊な技法で
見事に美しいカタチをつくりだしていきます。
するする〜っと鬢がつくられていくと、「うわ〜きれい〜」という声があちこちからもれてきます。
本当に魔法のような手つきです。

いつも、ときどきお話しが脱線するのですが、今回盛り上がったネタを以下にご紹介します。

【床山のまえかけ】
・京都絞り工芸館の館長の吉岡健治さんが、絞り染めのすてきな前掛けをされていました。
そこから、床山の前掛けの話へと脱線がはじまりました。
高橋さんによると、以前は床山さんは白い前掛けをされていたそうです。
それには理由があります。
俳優さんにかつらをかぶせて(現場では「かける」といいます)ご本人にチェックしてもらうときに
床山は白い前掛けを持ち上げて、臨時の背景幕のようにされていたそうです。
白なら、かつらのシルエットなどがはっきり見えます。
それに着物の前掛けは、長いですから丁度よいですね。

【とちり券】
・俳優さんが遅刻をするなど、楽屋内のみなさんにご迷惑をかけたときには
お詫びとして「とちり券」を配ることがあるそうです(お詫びにごちそうする食券みたいなもの)。
以前、高橋さんの道具箱から古い「とちり券」が出てきて、その存在は知っていたのですが
その「とちり券」は誰が作っているのか?は知りませんでした。
俳優さんのお弟子さんかな?と思っていたのですが、それは「おそば屋」さんや喫茶店の人が
作っているのだそうです。
とちりそば、とちりコーヒー。
お店の人にとっては、ありがたいですね(笑)。
失敗もちょっと楽しいイベントにしてしまう、いい慣習だなと思いました。

アンケートを読ませていただくと、「次は、立役の床山のお話がきいてみたい」
「かつらの髪に、触れておもしろかった」「衣裳やメークの話しもきいてみたい」など
さまざまな感想が綴られていました。
床山さんが使い終わった元結(もっとい:髪を結うときに使う紙製のひも)も、参加者の方に持って帰ってもらったり
かつらの髪に触ってもらったり、なるべくみなさんに体験していただくように工夫しましたが、
「触る体験」は、とても喜んでいただけました。

当日、ご参加いただきましたみなさま。ありがとうございました!

【歌舞伎 床山 高橋敏夫さん】
昭和24年生まれ。歌舞伎の女方専門の床山会社である(有)光峯床山に昭和44年に入社。現在、取締役社長。九代目澤村宗十郎を担当し、復活物のかつらの結い上げにも多く携わった。坂東玉三郎など現代を代表する歌舞伎俳優が頼りにする名床山。

京都絞り工芸館展示

絞り工芸館の展示

以下は、3月3日のワークショップの様子です(5月4日の内容もほぼ同じです)。

ワークショップの様子

ワークショップ高橋さん

歌舞伎の女方だけの技術「二枚櫛」。必見です!

ワークショップ高橋さん2

さばき1

しかけもののかつら。参加者の方に、しかけの「せん」を抜いてもらうと…。

さばき2

ばさっと、まげがさばけました。

なお京都絞り工芸館では、「特別展示 歌舞伎の中の絞り 床山の仕事を通じて」を行っております。
実際の歌舞伎の舞台で使われている「かつら」や「髪飾り」なども展示しています。
場所は二条城の近くです。小規模な展示ですが、ご興味のある方は、ぜひお越し下さい。

日程は、2012年3月2日から5月31日まで。

京都絞り工芸館
京都市中京区油小路通り御池南入る
Tel 075-221-4252
E-mail mail@shibori.jp
営業時間 9:00~17:00
http://shibori.jp

「床山の技」チラシ

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