普及活動
Vol. 31

(31)2022年9月2日 「伝統芸能と自然の関わりvol.4~各地に根付く郷土芸能 東北の鹿踊(ししおどり)を例に~」(港区エコプラザ・東京)

鹿踊

22/09/05 UP

昨年に引き続き、港区エコプラザ(東京)で、講演をさせていただきました。
このたびは、東京鹿踊代表の小岩秀太郎さんと一緒にお話をしました。

港区エコプラザ

伝統芸能と自然の関わりvol.4~各地に根付く郷土芸能 東北の鹿踊(ししおどり)を例に~
https://minato-ecoplaza.net/eco-event/report/210926-traditional-culturevolvol-3/


田村民子(左)と小岩秀太郎さん(右)

2022年9月2日(金)18:30-20:00
1:伝統芸能と自然のつながり(田村)
2:人の営みと自然から生まれた郷土芸能(小岩)
3:鹿踊って、なんだろう(小岩) 
4:質問タイム

「伝統芸能と自然の関わり」という、ちょっとユニークな切り口の連続企画。港区エコプラザの中尾有香子さんが毎年1回、企画を作ってくださり今年で4回目。伝統芸能と自然の重なりに興味を持つ人はまだまだ少ないのですが、集まってくださった方は、おひとりずつご自分のテーマや強い関心がある方ばかりで、参加者のみなさんとの対話から、大きな刺激をいただきました。

 
鹿踊の袴と太鼓

このたび、小岩さんから全国各地の郷土芸能、そして東北に伝わる鹿踊(鹿子躍)のお話をうかがい、精神性という意味で芸能と自然、風土は密接につながっていることを再確認しました。私のフィールドは、都会の劇場のなかで行われる「伝統芸能」の道具ですが、土の上や神社、あるいは庭や墓地で「祈り」として行われる各地の芸能は、よりいっそう自然とつながっている。
「生物文化多様性」という意味では、郷土芸能は宝庫!だと思いました。こうした切り口で、芸能と環境保全がどんどん乗り入れていくと面白いのではないでしょうか。

私自身が、反省の意味もこめて、はっとした言葉がありました。小岩さんの「伝統芸能と民俗芸能を切り離して考えることに違和感がある」という発言です。このあたりは、もう少し時間をかけて掘り下げていきたいです。

参加者の方からの感想で、印象に残った言葉。「能では言葉では表し切れない感情の昂りなどが踊りになる、という田村さんのご意見、目から鱗でした。洗練されたものの中に原始のかたちを見つけるというところ、震えました」。これは、小岩さんとの対話のなかで、どうして人って踊るんだろう、みたいな話をしていたときに、能のことを思い出してふと言った言葉でした。自分ではあまり意識できていなかったことを、参加者の方がみつけてくださり、私自身も勉強になりました。

小岩さんとの対話が盛り上がり、また参加者のみなさんが静かながらもノッてくださっているのが伝わってきて、90分があっと言う間でした。当日、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。またお会いしましょう!

講座の様子の写真については(2点)、港区エコプラザさんから提供いただきました。

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