普及活動
Vol. 40

(40)2025年9月 秩父宮記念市民会館、能と狂言の道具講座

秩父宮記念市民会館

25/09/14 UP

2025年9月13日(土)、埼玉県の秩父市にある秩父宮記念市民会館さんから声をかけていただき、能と狂言の道具についての講座を行いました。伝統芸能講座をさせていただくのは、これが3回目。西武特急ラビューに乗って、秩父に通うということが毎年の恒例行事になりつつあります。このたびは能楽の講座ということで、お客様が集まるか心配していたのですが、定員80名のところ多くのご希望があり、100名近いお客様におこしいただきました。





【10月3日「野村萬斎 能・狂言の世界」公演関連イベント】
伝統芸能講座『能・狂言っておもしろい!想像力を掻き立てる道具の世界』


2025年9月13日(土) 14:00~15:40
秩父宮記念市民会館けやきフォーラム
講師:田村民子(伝統芸能の道具ラボ 主宰)
参加費:500円(当日支払い)
https://ccbhall.saitama.jp/events/event/7939/


10月の公演で初めて能や狂言をご覧になる方もいらっしゃるということなので、能とはなにか? 狂言とはなにか? 能楽の番組の見方や歴史などについてもお話ししました。また、10月に上演される狂言「佐渡狐」、能「土蜘蛛」の見どころなども初心者向けに解説しました。「土蜘蛛」のおシテ(主役)をされる能楽師の観世三郎太さん(世阿弥の御子孫!)には8月に取材をさせていただき、公演をご覧になるみなさまに向けて、土蜘蛛の見どころや公演までにどのように準備していくか、能をどんな風に見たらいいのかなどをうかがっていました。観世御宗家の貴重なお道具も撮影させていただいたので、それらの写真も交えて会場のみなさまにお伝えしました。





もちろん道具についても、たくさんお話ししましたよ。能に登場する人物が持つ中啓(ちゅうけい)という扇や、武将の役が持つ扇、能装束の一種である唐織のきれ、土蜘蛛の精が投げる「蜘蛛の巣」なども、会場のみなさんに直接手にとって触っていただけるように座席に回覧しました。





会場には道具を近くで見て触ってもらえるように道具コーナーを設置。休憩時間には、みなさんが押しかけて見に来てくださり、話もはずみました。





扇や能装束、足袋の制作現場の写真もたくさんご紹介したのですが、質疑応答の際に、「後継者はいるのか?」「中啓は壊れやすそうだけど保管はどうするのか?」など道具にまつわるおたずねもあり、嬉しかったです。
参加者のみなさんからは、
「より10月の公演が楽しみになった。」
「今まで能にあまり興味がなかったけれど、今回の講座を聞いて興味を持つことができた」
「本物のお道具をみせてもらってうれしかった」
など、あたたかいお言葉をいただきました。なんと秩父市の市長さんも聴きに来てくださいました。ご自身も神楽を舞われるそうで、大変関心をもっていただけたとのことでした。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
秩父とのご縁がこれからも続きますように。


(写真提供=秩父宮記念市民会館様)

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