普及活動
Vol. 28

(28)2020年9月25日「フォーラム 伝統芸能と新型コロナウイルス」に登壇しました(東京文化財研究所)

「フォーラム 伝統芸能と新型コロナウイルス」

20/10/01 UP

2020年9月25日、シリーズ 無形文化遺産と新型コロナウイルス フォーラム1「伝統芸能と新型コロナウイルス」が東京文化財研究所で開催されました。
能楽と邦楽という2ジャンル。そして、それぞれ実演家、企画制作、道具をつくる立場から、現状について発表されました。
道具ラボの田村は、能楽の能装束の現状をお話しました。


まだまだ状況が不安定ななか、迅速に動いて、こうしたシンポジウムを企画された東京文化財研究所の無形文化財研究室長・前原恵美さんの情熱と冷静な判断力は、本当にすばらしいと思います。
さまざまな報告があり、どれも興味深かったのですが、心に強く残ったのは、長唄三味線の人間国宝・今藤政太郎さんのお話。「災いがあったとき、文化は生まれ変わろうとする」「邦楽は楽器屋さんと一緒に育った文化」「(道具業者が)つぶれた理由を考えなければならない」。
現状を共有するだけでなく、具体的な動きにつなげていなくては!と改めて感じました。


当日の様子が、YouTubeにて、期間限定で映像配信されます(無料)。
https://www.tobunken.go.jp/ich/vscovid19/forum-1
視聴可能期間:2020年10月9日-11月3日


田村民子の発表




当日のプログラム


開会挨拶(齊藤孝正 当研究所 所長)
趣旨説明(石村智当研究所音声映像記録研究室長)
講演「コロナ時代の伝統芸能 求められる官の役割」(宮田繁幸 当研究所 客員研究員)
話題提供「伝統芸能と新型コロナウイルス―数字と現状-」
    「株式会社 東京和楽器について」(前原恵美 当研究所 無形文化財研究室長)


事例紹介1 能楽シテ方の立場から(国の重要無形文化財保持者(総合認定)観世銕之丞)
事例紹介2 能楽シテ方の立場から-関西(国の重要無形文化財保持者(各個認定)大槻文藏)[事前収録]
事例紹介3 能楽の企画・制作の立場から(国立能楽堂 企画制作課企画制作係長 大貫誠之)
事例紹介4 能楽を支える技の立場から(伝統芸能の道具ラボ主宰 田村民子)


事例紹介5 邦楽演奏家の立場から-長唄三味線(国の重要無形文化財保持者(各個認定)今藤 政太郎)[事前収録]
事例紹介6 邦楽演奏家の立場から-筝曲(正派邦楽会副家元 奥田雅楽之一)
事例紹介7 邦楽の企画・制作の立場から(伝統芸能企画制作オフィス古典空間 小野木豊昭)
事例紹介8 邦楽を支える技の立場から-邦楽器糸(株式会社 丸三ハシモト 橋本英宗)


座談会(観世銕之丞、田村民子、奥田雅楽之一、小野木豊昭、光安慶太(全国邦楽器組合連合会長)、前原恵美


閉会の挨拶(齊藤孝正当研究所所長)


当日の様子は、メディアでも報道されました。


NHK 2020年9月25日
コロナ禍の伝統芸能 演者ら「アピールしないと あすはない」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200925/k10012634941000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001&fbclid=IwAR3unBThwlznQji33jFRs1fdxkaHOGVVdidR6Zrf0ge7m3EUkILO78vSyuU


東京新聞:コロナ禍克服へ連携を 演者や楽器製作者、公演関係者 都内で伝統芸能フォーラム
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59169?rct=entertainment_traditional&fbclid=IwAR3AbyyvRbAEAUvEwhG3Onbbu7rO8-UF3LyJEkljwhzbtS8NBimDZiVpdq8


余談:
東文研さんのチームワークは、いつもすばらしいなと思うのですが、昨日は、すごい研究者さんがプロの大道具顔負けの無駄のない迅速な「転換」作業でをされていました。私にとっては、「海老蔵さんが舞台転換している!」みたいな驚きがあり、転換されるたびに、わくわくして見入ってしまいました!!

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