フェイク・ベッコウ(改良) BEKKO
Vol. 19

(19)2014年7月 かんざしの図面についての打合せ

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14/07/25 UP

床山の高橋敏夫さんにプロダクトデザイナーの矢島光さんをお引き合わせして、約2カ月。6月は高橋さんが地方公演へ随行されていたこともあって、2回目の打合せまでに時間がかかってしまいましたが、やっと図面についての会合をもつことができました。矢島さんがいくつかのバリエーションのデザイン図面を作ってくださり、それを見ながら3人で打合せです。

打合せのキモは、家紋をどのような向きで配置するかということでした。今回のかんざしは、傾城(けいせい)という役が髪にさすもので、顔の右側と左側につけられます。家紋の図案には向きがあるので、さしたときにおかしくならないように飾った状態を想像しながら、慎重に検討しました。髪のうしろに差す「えりずり」という金属製のかんざしについても、軽くしたいという要望があるため、素材なども矢島さんからのアドバイスをいただきながら検討しました。その内容をまとめ、近いうちに道具ラボの田村が鯖江の眼鏡加工会社へ打合せに行くことになりました。

えりずり
金属製のかんざしの1種「えりずり」。紋入りのかんざしにビラがついている。

打合せの後は、高橋さんを交えていろいろ雑談をしました。5月の1回目の会合の後に、矢島さんには、2回ほど歌舞伎座で観劇をしていただきました。歌舞伎の衣裳や大道具、小道具などのデザインにとても興味をお持ちのようで、あれこれとたくさん質問をされていました。ですので、後日、矢島さんに、以下の本をご紹介しました。

本

『歌舞伎のデザイン図典』中村雀右衛門・監修/岩田アキラ・著(1995年 東方出版)
歌舞伎の衣裳や小物などのデザインについて、写真入りでいろいろ解説してあります。ちなみに同じシリーズで、『能のデザイン図典』もあります。

『京都書院美術双書 日本の染織 第10巻 歌舞伎衣裳』切畑健(1994年 京都書院)
衣裳についてのみですが、英文も併記されています。