フェイク・ベッコウ(改良) BEKKO
Vol. 9

(9)2012年3月 CAD図面ができあがる。しかし町工場がみつからず

CAD図面

12/04/18 UP

2012年2月7日。
アセチロイドの櫛の歯問題。
すっかり、ものづくりの専門家である堀野州男さんにおまかせして
ほとんど進展がないまま、半年ほどが過ぎました。

歌舞伎床山の高橋敏夫さん、アセチロイドの櫛づくりに挑戦中の職人・八田春海さんも
もちろんそれぞれ模索されていましたが、はやり目をみはるような結果は得られていません。

そんな折り、堀野さんからCAD で制作された櫛の図面が送られてきました。
堀野さんの知人の方が、ご厚意で作ってくださったものだそうです。
町工場にお願いするにしても、やはり図面がないと詳細が話し合えません。
これまで、現物ばかりをじっと見つめてきた者にとって、
整然とした図面は、とても心強く感じました。

2012年3月27日。
堀野さんと半年ぶりにお会いしました。
そして、さまざまな報告をいただきました。

1)櫛の歯の加工について
・堀野さんがよく知っておられる加工業者さんにCAD図面を見せて
お願いしたところ、「できない」というお返事だったそうです。
・堀野さんが以前訪問された木の櫛を作っているところにも相談してくださったそうですが
やはりそちらもダメだったそうです。

2)素材について
・ベッコウに代わる人工素材は、やはりアセチロイドが一番適しているとのこと。
・アセチロイドを実際に作っている業者さんも調べてくださり、連絡先なども
教えてくださいました。
実は、その業者さんは丁度1年前に、高橋さん、八田さんと3人で訪問していました。
めぐりめぐって、やはり同じところに辿り着いたようです。

やや八方ふさがり気味ですが、今後の方針についてお話しました。

・1年前に堀野さんがみつけてくださった大阪でアセチロイドの櫛の歯を加工しているという会社に
あたってみるという方法が残っています。
この会社については、加工賃が少し高いためこれまではアクセスしていませんでした。
こちらとどのように関わっていくか、高橋さんと再度検討することに。

・木の櫛の歯の引き方を改めて研究して、これを少し近代化させてアセチロイドの加工方法にできないかを検討する。

ともかく、少しずつでも進めていくしかありません。