伝統文化のための竹プロジェクト
Vol. 3

(3)2015年5月 竹林の管理を学ぶ(その2)

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15/06/01 UP

歌舞伎の小道具会社の近藤真理子さんと長村みち子さんが、「日本の竹ファンクラブ」が開催する竹林管理の講座の2回目に参加してこられました。今回は長村みち子さんがレポートをしてくれました(文と写真ともに長村みち子さん)。

特定非営利活動法人 日本の竹ファンクラブ
http://takefan.jp/index.html

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今回は竹林管理コース第2回目『筍の育成と管理』というプログラムでしたが、午前中の座学は長村のみ。午後の野外実習から近藤さんが合流して、一緒に勉強してまいりました。今、私たちが欲しいと望んでいる真っ直ぐな竹(特にマダケ)を手に入れる為には、とにかく筍と向き合わなければ話にならないわけですが、これがなかなか大変そうです…がんばりますっ!

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実習先の竹林ですが、初夏の緑がとにかく綺麗で癒されます~。こちらはボランティアの皆さんが竹林を整備して下さっている場所なので尚更ですね。

さてさて今回、わたくし長村が注目したキーワードはこちら!

【 竹の開花 】
「この数年、京都・香川などでハチクの開花の話題があったが、神奈川でも咲いた」と、実物を見せて頂けました。

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写真は稲の様な姿ですがハチクの花だそうです。

ハチクの開花は、60年周期説と120年周期説があるそうですが、2020年に一斉大開花が予測されていて、近年の開花はその前触れが始まっているのだろうという事でした。マダケの開花(こちら120年周期)は観れなさそうなので(苦笑)ハチクの開花を観察する機会に恵まれればなっと思っとります!

『竹の開花は凶兆』という話もありますが、凶兆の印なんて世の中に溢れてるので、『120年に一度』を楽しむのもまた一興かと。

【 新しいタケノコ調理法 】
竹を制するには、『管理+食す』という二段階で対処していかないと問題は解決しないだろうと言うお話に納得。「筍の需要を増やす為に、新しく美味しい筍の使い方(調理や加工方法)を開発する」というのも、筍大好きな私に色々と妄想させてくれます。

求む!新☆タケノコ料理!

【 関東ローム層 】
関東ローム層に注目した理由は、田村さん・近藤さんとお伺いした竹材問屋さんからも耳にしていた単語が、やはりこちらの授業でも出て来まして、思った以上に重要だなと感じたからです。関東の竹と関東ローム層という地質は、切っても切れない関係のようですね。この柔らかい地質に対する筍栽培法に、【根埋け~ねうけ~】という文化もあるそうですが、今では出来る方も殆ど居ないそうです。

【 竹水 】
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この竹水が溜まるように穂先筍を切ったのが前回の野外講習でした。今回はその結果を観て回ったのですが、ここまで竹水が溜まったのは初めて!という取水量だったようで、先生方からも感嘆の声が。竹の節を切ると底に溜まっていて、飲むと少し甘みを感じるまろやかなお水でした。ウイスキーの竹水割り最高だそうです(笑)。

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『竹の中でかぐや姫を育てた羊水であり生命の水』と聞くと、なんとも身体に効きそうです。

最後に「竹を管理するには、『目に見えない地下の生態を知る!』」。毎回が驚きと感動の連続ですが、竹林プロジェクトは未だ一歩を踏み出したばかりなので、じっくり学んでいきたいと思います!(長村)