百姓蓑(復元)MINO
Vol. 13

(13)2015年3月 「百姓蓑」が完成

minoken10

15/06/20 UP

「房総のむら」さんによる「藤浪小道具のための特別蓑づくり研修」。後半戦の2月28日、3月1日の2日間の作業については、道具ラボの田村は同行できませんでしたので、藤浪小道具の工作課(小道具を作る部署)の長谷川浩司さんからご報告をいただきました。

【千葉県立房総のむら】千葉県印旛郡栄町龍角寺1028
https://www.chiba-muse.or.jp/MURA/index.html

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「房総のむら」の蓑作りチームのなかでも、一番熟練している高津さんから最終工程である「えりつけ」の指導をうけました。えりの部分の紐は、房総のむらでは「藁紐」を使っていますが、藤浪小道具では「麻」を使っているので、あらかじめ「麻縄」をこちらから準備していきました。また、以前訪問した際に房総のむらの弓状の治具を見せていただき、それを真似て治具を作り持参しました。「えり」の部分は、チガヤの束をしめていくような感じで作っていきます。その後、前見頃の処理作業を行いました。
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そして、3月1日、無事に蓑は完成しました!

蓑
完成した蓑を持つ稲垣涼さん(左)と長谷川浩司さん(右)

後日、藤浪小道具の近藤真理子さんが出来上がった百姓蓑を確認されました。長谷川浩司さんと稲垣涼さんの2名がそれぞれ1着ずつ作られましたが、作り手によって出来上がりの風合いに違いがあるようです。このあたりも、手仕事ならではで面白いですね。以下は、近藤さんの感想です。

・長谷川さんの蓑は、みっちりしてて、少し重たい。
・稲垣さんの蓑は、ちょっと、すいてる感じ。二人の中間くらいが、密度としてはいいように感じる。
・すべては、最初のネットの菱形の大きさで、決まってくる。
・形については、これから試行錯誤をすればいろいろ調節できると思う。
・残りの課題は、色味。出来上がった蓑は、青い。
もう少し赤みがかった色にならないと「百姓蓑」としては使用できない。
・色味については、紫外線を当てたり柿渋を使ってみるなど、いろいろトライしてみたい。

*このページの写真は全てStudio.nom 野村祐紀さんより提供いただきました。