フェイク・ベッコウ(改良) BEKKO
Vol. 13

(13)2013年5月 床山の高橋敏夫さんと福井県鯖江市へ

sabae20130515

13/08/18 UP

鯖江市 産業環境部 商工政策課 鯖江ブランド推進グループの渡辺賢さんと最初に連絡を取り合ってから20日後。渡辺さんから櫛を作ってくれそうな加工会社がみつかったと連絡がありました。しかも無償で試作をしてくださるというのです。そこで、こちらから現物の櫛と、歌舞伎についての資料をお送りしました。そしてその約10日後に、サンプルの櫛が田村の手元に届きました。早い対応です! 試作にあたってどんな風な点に気を使われたかや、製作を開始した場合の費用などについても、具体的にお知らせいただきました。

すぐに床山の高橋敏夫さんにサンプルを届けました。見た瞬間、これはいけそう!と思われたようです。少し直してもらいたい部分があるものの、おおむねよさそうでこちらも安心しました。他の床山さんなどに見てもらったり、実際に使ってみてもらったりして、本格的に進めてよさそうな感じでしたので、鯖江市の加工会社を訪問しようということになりました。

おうかがいした日は、5月中旬というのに初夏のような暑さでした。小松空港まで渡辺さんが車で迎えに来てくださり、鯖江市までの道中でいろいろお話をしました。鯖江市のめがね作りの歴史、ものづくりが抱える課題や魅力などなど。そして「めがねミュージアム」(運営:一般社団法人 福井県眼鏡協会)を見学し、おいしいお蕎麦をいただきました。

めがねファクトリー1
めがねショップ(めがねミュージアム内)

めがねギャラリー素材 めがねミュージアム展示
めがねミュージアムには、めがねづくりの体験ができるコーナー(めがね工房)や、昔のめがねづくりの用具の展示(めがね博物館)などもありました。

勘三郎めがね
「めがね博物館」(めがねミュージアム3階)には、十七代目中村勘三郎丈のめがねも展示されていました。

その後、製作を引き受けてくださった株式会社長井に向かいました。社長の長井正雄さんは、とってもおおらかで、懐の深い方でした。決して儲けにはならない今回の案件を「めがねの技術が伝統文化のお役に立てるなら」と引き受けてくださったのです。長井さんの会社は、メガネのつるの部分(専門的にはテンプルと呼ぶそうです)を作っておられます。新しい技術も柔軟に取り入れ、いろんな挑戦をされている会社であると渡辺さんがおっしゃっていました。

長井さん

長井さんと高橋さんもすぐに意気投合されました。歌舞伎の櫛は特殊な使い方をしますので写真などを見ていただきながら、使い方や要望などについて細かくお伝えしました。田村も初めて知ることもあり、大変勉強になりました。そして長井さんにお願いしたい道具を絞り込み、サンプルを作っていただくことになりました。

ちなみに鯖江への打合せは、東京から日帰りで行ってきました。参考までに、以下にスケジュールをお知らせします。

9:45~10:45 羽田→小松(ANA753)
11:00~12:00 鯖江市へ車で移動、めがねミュージアム見学
12:00~12:50 昼食
13:10~15:20 長井さんと打ち合わせ
15:20~16:20 小松空港へ車で移動
16:55~18:10 小松→羽田(ANA758)

【めがねミュージアム】
福井県鯖江市新横江2-3-4 めがね会館 TEL:0778-42-8311
営業時間:10:00 ~19:00 定休日:毎週火曜(祝日の場合は営業)
http://www.megane.gr.jp/museum/

<表紙写真>

鯖江市訪問

左から株式会社長井・社長の長井正雄さん、鯖江市役所の渡辺賢さん、歌舞伎床山の高橋敏夫さん

撮影:田村民子(めがねミュージアム内の写真は許可を得て撮影をしています)