百姓蓑(復元)MINO
Vol. 4

(4)2014年2月 蓑に詳しい専門家を探す

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15/02/09 UP

「百姓蓑」の素材が何であるか。その問いに答えてくれる人物を探すことになりました。植物の専門家である北澤哲弥さんは、あちこちにネットワークがあるので、まずはその人脈に頼って、東京近郊の博物館をさがすことになりました。「植物」という視点だけでなく、「伝統農具」ということも重要な要素。北澤さんは条件に合いそうな博物館をあたってくださり、千葉県立中央博物館で千葉県内の伝統農具を調べている方から、以下のような情報を入手してくださいました。

【千葉県の蓑】
「チガヤ蓑」(雨蓑):チガヤの葉の芯を取り除いて作った蓑。秋の紅葉した葉で作ると赤っぽい蓑ができるらしい。
「ケダイ」(雨蓑):材料は稲わら。葉だけでなく、脱粒後の穂も利用。すだれのように編んで作る。
「マコモ蓑」(日蓑):マコモをすだれのように編んで作成。下総地方。
「ヒゴモ」(日蓑):材料はコムギの茎。安房地方。

【その他の用具】
「傘」:ハチク(竹の仲間)、イグサを使ったものがある。

そして上記の蓑は「房総のむら」という千葉県の博物館で作成技術を含めて保存されている、という重要な情報もつかんできてくださいました。そこで田村が藤浪小道具の近藤真理子さんから預かっている「百姓蓑」を持参して「房総のむら」を訪問し、収蔵品と比較させてもらおうという話になりました。

引き続き、北澤さんが「房総のむら」へ連絡をとり、趣旨説明を行った上で、訪問日も調整してくださいました。このあたりは非常に大事な部分で、専門家の北澤さんがいなければ適切な判断・選択はできなかったと思います。そして手間という点でみても結構、面倒な部分でもあります。博物館とつながりのある北澤さんが問い合わせなどもやってくださったおかげで、とてもスムーズに進みました(復元の全体を振り返ってみても、ここが一番大事なポイントだったと感じています)。
そして、北澤さん、小道具の近藤さん、田村の3人で日程調整を行い、いよいよ3月に「房総のむら」へ訪問することになりました。

北澤哲弥さん
株式会社エコロジーパス取締役。江戸川大学非常勤講師。博士[環境学]。専門は植物生態学。
「私たちは生物多様性の保全を専門とするコンサルティング会社です。近年、CSRとして生物多様性の保全活動に取り組む企業が増えてきました。しかし、本当に地域に貢献する活動にするためには、多くのハードルがあります。私たちは、企業が事業所や工場の敷地、その周辺の森川海などでおこなう生物多様性保全活動をサポートすることで、持続可能な社会の実現を目指しています」
*「百姓蓑」の復元には、ボランティアとしてご参加いただいています。

株式会社エコロジーパス http://ecopath.co.jp/