鹿の子(復元) KANOKO
Vol. 10

(10)2010年5月 打合せのため京都へ

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12/11/30 UP

2010年5月10日。
歌舞伎床山の高橋敏夫さんと一緒に、京都絞り工芸館(京都市中京区)へ向かいました。
「鹿の子」の色について相談するためです。
京都絞り工芸館では、館長の吉岡健治さん、副館長の信昌さんと4人でお話をしました。

まずは、これまでどんな風に復元をされてきたか、細かくおうかがいしました。
当初から布地をみつけるのがかなり大変だろうとおっしゃっていましたが、
布地屋さんを相当苦労して探されたとのことでした。
そして、今回の絞りはかなり密度が細かく複雑なので、1枚で絞るか、2枚を重ねて絞るかのどちらかだろうとのことでした。沢山重ねて絞るほうが、手間賃が下がるのですが、布地の厚さや柄によって、たくさん重ねられない場合もあるのです。「鹿の子」は麻の葉模様ですが、この模様は柄の中央がかなり密集しているので、非常に絞りにくいそうです。

布を重ねて絞る場合は、「米糊」で布と布を重ねてくっつけます。同じ図案でも、絞る人によって微妙な癖があり、絞り終わった後の布が、平らになる人と、くるっと巻く人といろいろなのだそうです。面白いですね。

それから、「緋色」の色みですが、京都ではオレンジがかった色みを嫌がるそうで、どうしても京好みの「緋色」にしてしまうとか。高橋さんは朱がかった江戸っぽい緋色にしたいようなので、色みについても細かく詰めて話しをしました。