鹿の子(復元) KANOKO
Vol. 1

(1)2009年 6月  「鹿の子」消滅!? の事実を知る

鹿の子 床山

11/12/25 UP

歌舞伎のかつらは、床山(とこやま)という専門の職人によってさまざまな髪の形に結い上げられています。その髪の形の種類は、1000種類以上ともいわれています。歌舞伎興行のさかんな東京では、女方のかつらのみを扱う専門の床山会社があり、多くの歌舞伎俳優から信頼を集めています。
その会社は、光峯床山。職人をたばねているのは親方の高橋敏夫さんです。

取材などでお会いした折りに、興味深いお話をたくさんうかがいましたが、髪を飾るいくつかの道具の作り手が高齢化や経済性の問題で少なくなり、作っている人が1人だけ、という道具も多いというお話をうかがいました。そして「鹿の子は、もう誰も作る人がいなくて困っている」と言われるのです。「いろいろ制作ルートを探してみたけど、似たようなものはできるけど、望む品質にはほど遠い」と、苦い顔。

鹿の子絞りなら着物にも使われているし、探してみればなんとかなるのではないか…、と感じ「制作ルートを探してみます!」と、勢いで宣言(後になって甘い素人考えだったことに気付くのですが…)。とにかく、これまでのネットワークをフルに使って、制作ルートを探してみることにしました。