後継者づくり支援
Vol. 2

(2) 歌舞伎のかんざしを修復する

harumi1

13/05/01 UP

歌舞伎のかんざしの製作に関わっておられる八田春海さん(詳しくは前頁参照)が修復を担当された金属製のかんざしについてご紹介します。以下は、八田春海さんのコメントです。

「この前差し(まえざし:かんざしの一種)は、酸化して真っ黒になっていたものを磨き直してほしいと依頼を受けた時のものです。磨くこと自体は、通常の貴金属と同じ要領で出来るのですが、歌舞伎ならではだなぁと思ったのが、ピカピカにしすぎずに少しさびれたような、味のある感じに仕上げてほしいと依頼があったことです。
この前差しは時代物(注:歌舞伎の演目のジャンルのひとつ)に使うものなので、アンティーク感があった方が雰囲気に合うとのことでした。なんでも単純に綺麗にしてしまうのではなくて、使う場面や衣装、役柄に合わせた装身具が必要とされるところが舞台ならではで、とても面白いお仕事でした。」

八田さんのコメントを読んで、改めて写真を見直すと、よりいっそう面白く拝見できますね。