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#道具の出演情報  
18/12/30 UP

歌舞伎座 2019/1/2-26 「壽 初春大歌舞伎」『吉例寿曽我』(雪の対面)の道具

『対面(たいめん)』といえば、室内のシーンがお決まりですが、このたびは、アレンジ版で、広々とした屋外、しかも雪景色で富士山も見えるという別空間でお芝居が展開します。このため「雪の対面」とも呼ばれます。

歌舞伎演目案内『寿曽我対面』
いつもの「対面」は、こんな感じです(舞台写真がたくさんありますよ)
http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/621

ちなみにストーリー展開は、いつもの「対面」と同じです。
さて、道具ですが、たくさん見所がありますが、いくつかピックアップしてお知らせします。
まず、大道具。
雪の景色の場合、背景画や屋体(やたい:建物のこと)などにも積もった雪などをえがかかくてはならないので、雪がない絵よりもうんと手間がかかります。屋体の床近くのあたりもよく見てください。雪の跳ね返りなども、丁寧に書かれています。

ちなみに歌舞伎座では、ツケは歌舞伎座の大道具が担当しています。この演目ですは、大ベテランの芝田正利さんが担当。演者に合わせていくのではなく、演者と拮抗するようにどんどん攻めて打っているので、緊張感が高まってとてもいいです。ぜひ、ツケにも注目いただきたいです。

かつらでは、舞鶴(女性の役です)に注目してみましょう。うさぎの耳のような白い大きな飾りを2つ付けていますが、これは「力紙(ちからがみ)」。その名の通り、力持ち、気の強い役がつけます。多くは男の役(立役)がつけますが、このように女方がつけることもあります。
舞鶴のセリフにも「頭にいただく力紙」と、その名前が織り込まれていますので、よく聞いてみてくださいね。
力紙については「歌舞伎用語案内」(日本俳優協会運営)のサイト内で、解説を書いておりますので、そちらをご覧ください。

「歌舞伎用語案内」力紙
http://enmokudb.kabuki.ne.jp/phraseology/2393

おもしろいのは、いつもは真っ黒い衣裳の黒衣が、雪が積もっている場所に出てくる黒衣は、真っ白い衣裳であること。雪のないところは、通常の黒い衣裳で出ています。

壽 初春大歌舞伎
平成31年1月2日(水)~26日(土)
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/597