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13/07/26 UP

歌舞伎座 2013/8/2-24 「八月納涼歌舞伎」<『新版歌祭文 野崎村』 お染 髪型>

『新版歌祭文 野崎村』に登場するお染の髪型について書いてみます。お染は裕福な商家の娘です。髪や衣裳も「町娘の豪華版」の典型となっています。髪型については、以前、記事にまとめましたのでそちらをご覧ください。床山さんに結っていただいたかつらを撮影した写真も掲載して解説していますので、よくわかると思います。8月の公演では、七之助丈がこの役を演じられますね。



「結綿のおしどり掛け」(歌舞伎美人Webサイト)


http://www.kabuki-bito.jp/kabuki_column/hanakazura/201002.html





お染と対照的に、少し詫びた感じの風情なのが「お光」です。お光は田舎の娘という設定ですから、髪飾りも着ているものも質素です。でも、『野崎村』のヒロインはお光です! 以下の8月公演のちらし・上段右から2つ目の写真が「お光」です。田舎娘の象徴である「すすきのかんざし」を挿しています。お手元に8月のチラシをお持ちの方は、よーくご覧になると、まげの根本にこのかんざしがさしてあるのがわかると思います。木製の飾り櫛、そして「すがいと」というピンク色の紐のような髪飾りを前髪のあたりにつけています。



すすきのかんざし

すすきのかんざし(撮影協力:光峯床山)



おまけで大道具的小ネタをひとつ。この演目では、廻り舞台を使った舞台転換もあり楽しいです。田舎の家の場面から、ぐるっと舞台がまわって、土手のある水辺の風景へとお客さんの目の前で場面が変わります。土手には梅の木がいくつかありますが、白梅と紅梅では、白が上手というのが原則とされています。連獅子でも親獅子は白い頭、仔獅子は赤い頭という風に、白が優位にあります。そうそう、『三人吉三巴白浪』大川端の場面にも塀の奥に梅の木がありますが、これも上手側に白梅、下手側に紅梅があります。



8月公演チラシ


歌舞伎座新開場柿葺落

八月納涼歌舞伎

平成25年8月2日(金)~24日(土)


http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2013/08/post_62.html